今月の音遊人
今月の音遊人:菅野祐悟さん「音楽は、自分が美しいと思うものを作り上げるために必要なもの」
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今月の音遊人:imaseさん「どんな時代に誰が聴いてもいいと思ってもらえる普遍的な曲をつくりたい」
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2024.12.2
TikTokへの初投稿から、四季を一周する間もなくメジャーデビュー。数多くの楽曲をバイラルさせ、映画やドラマ、CMなどの大型タイアップでも引っ張りだこのimaseさん。多彩なジャンルの楽曲を生み出してきた注目アーティストの音楽のルーツとは?
両親が家や車の中などでよく聴いていたこともあり、ユーミン(松任谷由実)さんの楽曲をたくさん聴いて育ちました。なかでも、一番好きでもっとも多く聴いたのは『ひこうき雲』です。メロディーに普遍性があり、何度耳にしてもいい曲だと感じます。僕も、どんな時代に誰が聴いてもいいと思ってもらえる曲をつくりたいと常に思っているので、楽曲制作を始めてからはあらためてそのすごさを感じるようになりました。
ユーミンさんの曲は、歌詞の言葉の置き方や構成づくりの部分でも本当にすばらしいと思います。たとえば『恋人がサンタクロース』。サビで歌われている言葉に注目すると、サンタクロースがいると信じている子どもが、大人になって恋人がサンタクロースなのだと気づくことがわかります。その伏線回収の構築がとても面白いと思いますし、子どものころと大人になってからでは楽曲を聴いたときの印象が変わるという歌詞の書き方はとても勉強になります。ユーミンさんは、ものすごい人ですよね。
「人生を変えてくれたもの」です。もともと音楽も歌うことも好きでしたが、アーティストとして活動していくとは4年前には考えてもいませんでした。今の僕にとって、音楽は本当にかけがえのないものです。
さまざまなジャンルの音楽をつくることが好きなので、楽曲制作は今も楽しみのひとつです。新しいジャンルに挑戦する際やタイアップのときに悩むことはありますが、産みの苦しみは今のところありません(笑)。
メジャーデビューの後も、2023年3月に上京するまでは、岐阜で実家の家業を手伝っていました。もし音楽と深く付き合い、制作をしていなかったら、おそらく家業を継いでいたと思います。
僕の世代はDTMで音楽をつくる人が多く、自分が好きな表現を自由にしている人がたくさんいます。さまざまなジャンルの音楽を聴いて、それぞれのおいしいところやかっこいいと感じる音を拾い、自分なりの表現にして制作していく。僕は、これらは「音での遊び」だと思っています。
音で遊んでいると感じる同世代のアーティストで、影響を受けているのはなとり。昔からの仲でありライバル、そして友だちとして一緒に切磋琢磨してきました。2024年8月と9月にリリースした『メロドラマ』と『メトロシティ』では、念願だった彼とのコライトが実現しました。なとりとは感性が近いと感じる一方で、さまざまなものの見方や題材に対する捉え方、歌詞の書き方などは少し違うという面白さがあります。彼はボカロにルーツがありますが、僕は通っていませんし、ルーツの違いはコード進行などにも表れます。お互いの相違点を面白がって、高め合っているなと感じています。
たくさんありますが、やはりいろいろな人と出会えたり、さまざまな景色を見ることができることだと思います。今まではなかなか海外に行く機会はなかったのですが、バンコク、香港、クアラルンプール、上海、ソウル、台北の6都市を回ったアジアツアーをはじめ、フェスやイベントなどで海外を訪れ、たくさんの方々の前で歌うという経験をすることができました。
僕にとってライブは、ファンの方々とコミュニケーションを取ることができる大切な場所です。そして、それができるのは自分の楽曲を好きな方たちが集まってくださるから。ファンの方たちとひとつの音楽を共有し、楽しめるのはとても素敵なことですし、ものすごい熱量も感じます。ネットとリアルは、両輪としてどちらも大切にしていきたいですね。
imase〔いませ〕
岐阜出身、24歳の新世代男性アーティスト。音楽活動開始わずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ2021年12月にメジャーデビュー。「NIGHT DANCER」は韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP20入りを果たし、SpotifyバイラルチャートTOP50に31カ国ランクインするなど世界各国でもバイラル。「第65回 輝く!日本レコード大賞」にて優秀作品賞を受賞し、韓国で開催されたMMA 2023、CCMA 2023に日本人アーティストとして初出演、初受賞を果たすなど国内外で活躍の場を広げ続けている。
5月には待望の初アルバム『凡才』をリリース。2024年には初のアジアツアー『imase 1st Asia Tour “Shiki”』とホールツアー『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』を完遂。2025年4月からは初の全国ホールツアーの開催も決定している。2024年下半期には7曲のデジタルシングルをリリースするなど、注目の若手アーティストのひとり。
オフィシャルサイト
文/ 福田素子
photo/ 阿部雄介
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tagged: アーティスト, インタビュー, 今月の音遊人, imase
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