Web音遊人(みゅーじん)

LEO

今月の音遊人:LEOさん「音楽とは、言葉以上のメッセージを伝えられるものであり、喜びの原点です」

19歳でメジャーデビューして以来、箏奏者としてはもちろん、ひとりのアーティストとして邦楽界にとどまらない活動を続けているLEOさん。「あらゆる音楽が大好き」という真っすぐで真摯な思いをうかがいました。

Q1.これまでの人生の中で一番多く聴いた曲は何ですか?

一曲に絞るのは難しいのですが、特に印象に残る曲となると、まずは僕が所属している流派・沢井箏曲院の創始者である沢井忠夫先生の『讃歌』です。沢井先生の箏独奏曲の中でも代表作とされる曲で、美しい音色や正確無比なテクニックなど、この曲からできるだけたくさんのことを学び取ろうと小・中学生当時にCDを聴き込みました。
「プロの音楽家になろう」と決心した高校生時代に聴いていた坂本龍一さんの曲も思い出深いです。特に好きだったのはピアノアレンジ版の『東風』。さまざまなものから得たインスピレーションをひとつのスタイルにまとめ上げるという、僕自身が目指したいミュージシャン像として影響を受けました。
衝撃的だったのは20歳のころに知ったジャズピアニストのティグラン・ハマシアン。あらゆるものを取り混ぜて、彼にしか生み出せない音楽として完成させた演奏を聴いて「こんなことが可能なんだ!」と強烈なインパクトを受けたことを覚えています。
僕はあらゆる音楽が好きなんです。何より、どんな音楽からも良いところを吸収したいと思っているので、勉強の意味も含めて知らないジャンルや興味のある楽曲は積極的に聴くようにしています。この姿勢は箏を始めた9歳のころからずっと変わっていません。

Q2.LEOさんにとって「音」や「音楽」とは?

言葉とはまた別の新しい言語、コミュニケーションツールのようなものでしょうか。僕はもともとシャイな性格で、友達などに言葉で自分の思いを伝えたり表現したりすることが苦手だったんです。でも、楽器や音楽を通すと自分の感情や気持ち、考えていることをスムーズに伝えることができた。そう思うと、音楽とは時に言葉以上のメッセージを伝えられるものであり、それは演奏家としての喜びの原点とも言えるのかもしれません。だからか、昔も今も「仕事」という認識で音楽や楽器に携わっていないように思います。アマチュア時代もプロになってからも楽しく音楽を続けられています。

LEO

Q3.「音で遊ぶ人」と聞いてどんな人を想像しますか?

ここ数年は特に好んでジャズを聴いていることもあって、今の僕がイメージするのはジャズミュージシャンですね。最近はジャズ界の大先輩の方々とご一緒する機会などもあるのですが、「前日のリハーサルでライブの演奏曲を決める」とか「本番まで一度も通さない曲もある」みたいなことが珍しくないんです。その日のお客様の盛り上がり具合を見て、ステージ上でメンバー同士アイコンタクトを取りながらアドリブを入れたり尺を伸ばしたり、その場に応じて遊んで、ふくらませて……という演奏が本当に楽しくて。まさに「音で遊ぶ」ということを体現していると思います。

Q4.楽器や音楽をやっていてよかったことは何ですか?

常にそう思い続けています。最近は演奏だけでなく、自分自身で創作をするクリエイティブな活動も増えてきました。そういう今がとても幸せですし、「音楽をやっていてよかったな」と実感する毎日です。もちろんステージに立って拍手をいただく瞬間も達成感がありますが、それと同じくらい作曲やコンサートのプログラムづくり、演奏やパフォーマンスの表現を練ったりする準備の過程が楽しいんです。お客様に良い演奏やステージを観ていただくにはどうすればいいかを想像している時間がとても好きですね。

LEO〔レオ〕
1998年横浜生まれ。本名・今野玲央。9歳より箏を始める。音楽教師であり箏曲家のカーティス・パターソン氏の指導を受け、のちに箏曲家 沢井一恵氏に師事。16歳でくまもと全国邦楽コンクール史上最年少 最優秀賞・文部科学大臣賞受賞。一躍脚光を浴び、2017年に19歳でメジャーデビュー。セバスティアン・ヴァイグレ、井上道義をはじめとした指揮者や、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団などと共演しソリストを務める。2022年、箏奏者として初めてブルーノート東京でライブを開催。同年SUMMER SONICに異例の出演を果たしたことでも話題を集めた。出光音楽賞、神奈川文化賞未来賞、横浜文化賞 文化・芸術奨励賞受賞。

オフィシャルサイト

YouTube公式チャンネル オフィシャルX(旧Twitter) オフィシャルInstagram
オフィシャルLINE

photo/ 阿部雄介

本ウェブサイト上に掲載されている文章・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

facebook

twitter

特集

今月の音遊人

今月の音遊人:渡辺真知子さん「幼稚園のころ、歌詞の意味もわからず涙を流しながら歌っていたのを覚えています」

7233views

音楽ライターの眼

連載11[ジャズ事始め]美貌の奇術師率いる天勝一座が運んできたジャズの香りとフィリピン・ルート

2604views

楽器探訪 Anothertake

ナチュラルな響きと多彩な機能で電子ドラムの可能性を広げる、新たなフラッグシップモデルDTX10/DTX8シリーズ

4488views

初心者におすすめのエレキギターとレッスンのコツ!

楽器のあれこれQ&A

初心者におすすめのエレキギターと知っておきたい練習のコツ

22084views

コハーン・イシュトヴァーンさん Web音遊人

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーン・イシュトヴァーンがバイオリンを体験レッスン!

10163views

重田克美

オトノ仕事人

スポーツやイベントの会場で、選手やお客様のためにいい音環境を作る/音響エンジニアの仕事

9491views

サントリーホール(Web音遊人)

ホール自慢を聞きましょう

クラシック音楽の殿堂として憧れのホールであり続ける/サントリーホール 大ホール

22409views

東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

こどもと楽しむMusicナビ

子ども向けだからといって音楽に妥協は一切しません!/東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

10733views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

30630views

AOSABA

われら音遊人

われら音遊人:大所帯で人も音も自由、そこが面白い!

11526views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

クラス分けもまた楽しみ、レッスン通いスタート

4771views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

25157views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

9060views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

13841views

音楽ライターの眼

セミヨン・ビシュコフがチェコ・フィルの新たな時代を拓く

5155views

音楽市場を広げたい、そのために今すべきこと/ジャズクラブのブッキング・制作の仕事(後編)

オトノ仕事人

音楽市場を広げたい、そのために今すべきこと/ジャズクラブのブッキング・制作の仕事(後編)

7247views

われら音遊人

われら音遊人:大学時代の仲間と再結成大人が楽しむカントリー・ポップ

4402views

マーチングドラムの必須条件とは?

楽器探訪 Anothertake

マーチングドラムの必須条件とは?

11103views

ホール自慢を聞きましょう

歴史ある“不死鳥の街”から新時代の芸術文化を発信/フェニーチェ堺

8431views

山口正介 - Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

この感覚を体験すると「音楽がやみつきになる」

8392views

初心者におすすめのエレキギターとレッスンのコツ!

楽器のあれこれQ&A

初心者におすすめのエレキギターと知っておきたい練習のコツ

22084views

東京文化会館

こどもと楽しむMusicナビ

はじめの一歩。大人気の体験型プログラムで子どもと音楽を楽しもう/東京文化会館『ミュージック・ワークショップ』

7446views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

25157views