今月の音遊人
今月の音遊人:ケイコ・リーさん「意識的に止めなければ、自然に耳に入ってくるすべての音楽が楽譜として浮かんでくるんです」
2939views
【楽器探訪 Another Take】新時代のアコースティックピアノ、誕生
14261views
2015.3.11
tagged: アコースティックピアノ, トランスアコースティックピアノ, YU11SHTA, YU11, トランスアコースティック
伝統製法に基づくアコースティックピアノづくりを行う一方、消音機能が付いたサイレントピアノ™、自動演奏機能が付いたディスクラビア™といった、時代のニーズに即したピアノの開発を進めてきたヤマハ。
そして2015年春、ヤマハが新しく提案するのが「トランスアコースティック™ピアノ」。アコースティックピアノの響きを体感しながら電子音が鳴らせて、音量調節も可能にする新技術「トランスアコースティック™」を搭載したピアノで、日本国内においては、既存のアップライトピアノ「YU11」に搭載し、「YU11SHTA」として販売をスタートします。※欧米では2014年7月より、別の機種に搭載する形で先行発売されている。
「トランスアコースティック™とは、英語の“trans”と“acoustic”の造語です。なおtransには『~を超える』といった意味があり、『既存のアコースティックピアノの価値を超える』という思いを込めてこの名称が採用されました」と、マーケティング担当の松本夕弥(ゆみ)さん。
「YU11SHTA」のベースはアップライトピアノの「YU11」ですが、スイッチ(中央のペダル)を切り替えるとトランスアコースティック™モードに切り替わる。すると、ハンマーの動きが弦の寸前で止まって音が出なくなり、センサーが鍵盤の動きを読み取ってMIDI信号(演奏情報)を作成、トーン・ジェネレーター(電子音源)がMIDI信号を電子音に合成します。
…と、ここまではサイレントピアノ™の消音機能と同じ仕組みですが、大きく異なるのは音の出口の部分。
「サイレントピアノ™では、ヘッドフォンや接続した外部スピーカーから電子音を鳴らしますが、トランスアコースティック™ピアノでは響板を振動させ、弦の共鳴音と一緒に電子音を鳴らします。別の言い方をすると、スピーカーは使わず、響板そのものをスピーカーとして使って電子音を鳴らす、ということです」と、プロジェクトリーダーの小関(こせき)信也さん。
アコースティックピアノであると同時に、響板をスピーカーとして使うことで、電子音を豊かに響かせることができるトランスアコースティック™ピアノ。でも、なぜ電気的なスピーカーを使わずに、木製の響板を通じて電子音を鳴らすことができるのでしょうか?
Take2では、トランスアコースティック™ピアノの発音の仕組みについて詳しく見ていくことにしましょう。
Take1:新時代のアコースティックピアノ、誕生
Take2:トランスアコースティック™ピアノの仕組みとは?
Take3:トランスアコースティック™ピアノ3つの新体験
■トランスアコースティック™ピアノ製品情報はこちら
文/ 武田京子
photo/ 村上一光
tagged: アコースティックピアノ, トランスアコースティックピアノ, YU11SHTA, YU11, トランスアコースティック
ヤマハ音遊人(みゅーじん)Facebook
Web音遊人の更新情報などをお知らせします。ぜひ「いいね!」をお願いします!