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“今”だからこそできる、“今”しかできないCASIOPEA-P4のニューアルバム『RIGHT NOW』リリース/CASIOPEA-P4インタビュー
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2024.6.26
tagged: インタビュー, アルバム, CASIOPEA, CASIOPEA-P4, RIGHT NOW
CASIOPEAの第4期であるCASIOPEA-P4の2枚目となるアルバム『RIGHT NOW』が完成した。CASIOPEAデビュー45周年を迎えてリリースするこのアルバムには、常に進化を続けて輝きを放つ彼らの“今”が詰まっている。
「45周年へのこだわりは、まったくなかったですね。過去に縛られたくないというか。いつも、今しか考えていないんです」
リーダーの野呂一生(ギター)がそう語るように、『RIGHT NOW』に収録されているのは、今だからできる、今しかできない全10曲。うち、野呂は7曲を書き下ろした。
「これまであまりやったことのないタイプのものをつくりたいという気持ちが強かった」と話すそれらの楽曲には、懐かしさと新しさが同居する。
「ある本で、“螺旋階段理論”というものを読んで、感銘を受けたんです。螺旋階段は上から見ると円運動を繰り返して原点に戻るけれど、横から見るとどんどん上がっていく。懐かしくもあり新しいというのは、そういうことなのではないかと思いました」
1曲目の『THE TIME HAS COME』は、「時は来たれり!」のタイトルが醸し出す大きな期待と高揚感を裏切らない。もともとロック小僧だったという野呂が、今だからこそなし得た表現だ。「60~70年代のブラス・ロックの時代の雰囲気を出したかった」という3曲目の『WHICH WAY?』はミディアム・ファンク。まさに、螺旋階段を彷彿とさせる楽曲が続く。
「最も違うタイプのものができたと自分で思っているのが、10曲目の『HAPPINESS』です。今までの自分なら、素直にいきたい気持ちがありつつも、もっと毒が強いつくり方をしていたというかね。そうした今までの自分を、ある意味捨て去った姿という感じです」
CASIOPEA第1期から第4期まで、各世代から参加した4名がそろうCASIOPEA-P4。メンバーによる楽曲にも、それぞれの歴史と個性を宿した“今”が表れている。
3期から参加している大髙清美(キーボード)の楽曲はこれまで明るく元気なものが多かったが、今回書き下ろした『ADMIRATION』は、心が穏やかになるオルガンのバラード。
「人のことを思い、気持ちをシェアするような感じが出せればと思ってつくりました。タイトルも含めて、今までのなかで一番早くできあがった曲です」
4期からの今井義頼(ドラムス)が作曲した『HOUR OF THE RAINBOW』は、ある出来事がきっかけで生まれたワンフレーズがもとになっている。
「僕が音楽キャリアを始めた当時からお世話になっていたギタリストの大橋勇武さんが昨年亡くなられたときに、大橋さんを思いながら書いたワンフレーズがあったんです。それをふと思い出して1曲にしました。大髙さんがデモの音を膨らませてくださったり、僕がこの曲をさらに好きになるようなプレイをみなさんがしてくださったりして、自信作に仕上がりました」
鳴瀬喜博(ベース)の『90’s A GO GO』は、第2期の初期に作曲した未発表曲をリアレンジした。
「1991年のアルバム『FULL COLORS』のときにつくった曲なんだけど、今回は90年代の曲がいいなと思ってさ。この歳になると、また暴れたいぜ!みたいなのがあるじゃん。で、この曲を練り直したのよ」
まさに、“RIGHT NOW”だったというわけだ。
そして、それぞれに個性的な楽曲がひとつの世界観を構築しているのは、CASIOPEAならではの魅力といえるだろう。
ニューアルバムを引っ提げて、全国ツアー『CASIOPEA-P4 TOUR“RIGHT NOW”~Summer~』もスタートする。
ツアーではアルバム収録曲を中心に、第1期から第3期までの楽曲も多く披露される予定だ。
「今だからこそできるライブにしたいです」(野呂)
「この夏、一緒に盛り上がりましょう!」(大髙)
「公演によって、ステージから見える景色や雰囲気は違うんですよね。その一つひとつを味わいたいです。それによって、さらにCASIOPEAが進化していく姿を見てほしいです」(今井)
それぞれが意気込みを話す一方、鳴瀬は彼らしい表現で語ってくれた。
「アンコールは全公演違うし、ともかく曲数がめちゃくちゃ多い。意気込みとかそういう次元じゃないんだよな。必死になってやるから楽しみにしててよ、としかいえないね」
7月28日(日)の川崎を皮切りに、9月7日(土)の札幌まで全6公演を走り抜ける。重ねた時が生み出す“今”をぜひ体感してはいかがだろう。
発売元:ハッツアンリミテッド
発売日:2024年7月3日(水)
価格:3,300円(税込)
詳細はこちら
2024年7月28日(日)神奈川・川崎CLUB CITTA’
2024年8月3日(土) 福岡・ドラムロゴス
2024年8月4日(日) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
2024年8月24日(土)名古屋・ボトムライン
2024年8月25日(日)神戸・チキンジョージ
2024年9月7日(土)北海道・札幌 Zepp Sapporo
料金:前売8,500円 当日9,000円(別途ドリンク代600円・全会場共通・税込)
公演の詳細はこちら
オフィシャルサイトはこちら
文/ 福田素子
photo/ 阿部雄介
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