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今月の音遊人:清塚信也さん「音楽はあやふやで不安定な世界。だからこそ、インテリジェンスを感じることもあります」
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今月の音遊人:ユッコ・ミラーさん「音楽は人の心を映すもの。だからごまかすことはできません」
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2024.3.1
ピンクのロングヘアと実力派のサクソフォンプレイで、圧倒的な存在感を放つユッコ・ミラーさん。2023年11月には6作目となる『Ambivalent』をリリースし、サクソフォンはもとより、作詞作曲やボーカルでもその才能を発揮しています。そんな彼女にとって音楽とは?
昔の映画音楽かもしれません。母は、私がお腹にいるときも、そして生まれた後も『ゴッドファーザー 愛のテーマ』や『シェルブールの雨傘』などが入った映画音楽のCDをずっと聴かせていたそうです。といっても英才教育を目指したわけではなく、後に私が高校生でサクソフォンを始めると、あまりの熱意に親は応援せざるを得なくなったというのが実情なのですが。サクソフォンと出会っていろいろな音楽を聴くようになったとき、子どものころに流れていた映画音楽をもう一度聴いてみようと思い立ちました。そして、やっぱりいい!と感じましたね。なかでも一番好きなのが『白い恋人たち』です。小さいころからずっと聴いていましたし、哀愁漂う曲に惹かれるんです。『白い恋人たち』のような雰囲気の曲ばかりを集めたプレイリストをつくり、今も日常的に聴いています。こういう雰囲気の曲って何だか落ち着くんですよね。
音楽は人の心を映すもので、音には常に自分の心が反映されていると思っています。自分が経験してきたものや考えがすべて音楽に出てしまうので、ごまかすことはできません。だから、正直に生きるしかないです。私は感受性が豊かで些細なことにも傷つきやすい、生きづらい人間。カッコよく弾こうとか、難しくてすごいプレイをしようなどということはまったく考えていなくて、自分の気持ちや心を音にして届けたいという思いが強いです。そして、それぞれの曲に感情を込め、聴いてくれる人が感動したり、優しい気持ちになったり、燃え上がるような情熱を感じたりしてくれればと思って音楽をやっています。
音楽が体の一部になっていて、遊ぶように音を自由に操れる人ですね。私自身は音楽を楽しんではいますが、「遊ぶ」余裕はなくて、全身全霊、命がけで向き合っています。自分の体がすべて音楽のような、もっといえば自分の体が音楽の一部のような感じです。自分がそうだからか、私が惹かれたり尊敬したりするアーティストは、全身全霊で、自分の人生を音楽に反映させているようにみえますね。
ユッコ・ミラー〔ゆっこ・みらー〕
三重県伊勢市出身。高校で吹奏楽部に所属しアルトサクソフォンを始める。2016年9月キングレコードよりメジャーデビュー。19歳よりプロ活動を開始する。キャンディー・ダルファーやグレン・ミラー・オーケストラをはじめ、国内外で活躍するトップミュージシャンと多数共演。海外でのジャズフェスティバルにも出演するなど世界的に高い評価を得ている。2018年からはYouTuberとしての活動も展開し登録者数は21万人。
オフィシャルサイト
文/ 福田素子
photo/ 阿部雄介
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tagged: インタビュー, サクソフォン, 今月の音遊人, ユッコ・ミラー
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