今月の音遊人
今月の音遊人:三浦文彰さん「音を自由に表現できてこそ音楽になる。自分もそうでありたいですね」
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「吹奏楽部の高校生が吹いてみたい楽器ベスト10」といったアンケートがあれば、いつも上位に入るのがフルート。おとなになって始める人が多いのは、かつて憧れていた楽器だったからでしょうか。そこで、フルートの選び方をご紹介します。
フルートの材質には白銅、銀、金、グラナディラ(木)などがあり、それぞれ異なる音の特性を持っています。また材質が同じでも、管体の肉厚(厚み)の違いで響きや音色まで変わってきます。それぞれの特色をみてみましょう。
■白銅
銅とニッケルの合金である白銅は、耐久性があり、響きやすい特性をそなえています。どんな音域でもバランスがよく、明るい音色が特長です。
■銀
19世紀、フルート改革者ベームによって見いだされ、フルートに使われるようになった銀は、“最もフルートらしい”といわれる音色が魅力です。
●標準肉厚:0.38mm/豊かであたたかく、伸びのよい音色。音がホールの隅々まで広がっていきます。
●ライトウエイト:0.35mm/銀製の持ち味である豊かな音色はそのままに、響きやすく、音色の変化を思い通りに楽しめます。
●ヘビーウエイト:0.43mm/深くダークな音色で、演奏者のパワーにしっかりと応える響きが持ち味です。
■金
フルートに特別な輝きを与え、艶のある音色も魅力的。ピアニッシモでもしっかりと広がる遠達性に優れています。
●標準肉厚:0.3mm/最もバランスよく響く厚さで、艶と輝きのある音が特長です。
●ヘビーウエイト:0.35mm/抵抗感を増して演奏者の要求に応え、伸びのある、力強い響きをつくりだします。
■グラナディラ
たいへん硬い木で、古くから楽器の材料として使われてきました。やわらかく、あたたかな音色には、木質ならではのものがあります。
フルートには、カバードキイとリングキイの2種類があります。
■カバードキイ
キイカップがふた状のため、キイが孔を確実に押さえ、息もれを防ぎます。オフセットキイ(左手薬指で操作するGキイがせりだし、指の長さにあった配列)とのコンビネーションによって、自然で押さえやすいのも特長です。
■リングキイ
リングキイは、キイカップがリング状のため、孔を確実に押さえるための技術が求められます。でも指先に空気振動を直接感じられるので、繊細な響きをコントロールしやすくなります。インラインキイ(主管のキイが一直線に配置)とのコンビネーションが一般的ですが、オフセットキイのモデルも選択可能です。
フルートは、材質と厚みの組み合わせによって、響き具合や音色が違ってくる楽器です。またリングキイは、自分に合うキイ配置のものを選択する必要があります。めざす演奏スタイルを思い浮かべ、選んでみてはいかがでしょう。
文/ 音遊人編集部
tagged: フルート, お客様コミュニケーションセンター, 楽器のあれこれQ&A
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