Web音遊人(みゅーじん)

作り手が意図した本当の音が伝わる。最新ワイヤレスイヤホンTW-E7A・EP-E70A/WONKレビュー

2019年11月、ヤマハのブランドプロミス“Make Waves”と、ヤマハ オーディオが提供する音楽体験“True Sound”にインスパイアを受け制作した楽曲、『Signal』を発表したWONK。そのベーシストでありエンジニア活動も行う井上幹(Bs)と、数多くの映画/CM音楽も手掛ける江﨑文武(key)の2人に、2020年9月30日に発売開始のワイヤレスイヤホンTW-E7A、EP-E70Aを試聴してもらい、その感想を語ってもらった。聞き手はヤマハ株式会社ホームオーディオ事業部商品戦略グループの湯山雄太と熊澤進。WONKの2人がこの新製品から感じた“True Sound”とは?

2020年9月30日に発売となったワイヤレスイヤホンTW-E7A(前)、EP-E70A(後)

音にパンチのあるEP-E70A、奥行きとライブ感が気持ちいいTW-E7A

湯山(ヤマハ):今日はお二人にEP-E70AとTW-E7Aを試聴していただきました。音の印象はいかがでしたか?

井上:両モデルのキャラクターの違いに驚きました。EP-E70Aはパンチのある音で、ダンスミュージックにも合う、いまどきのチューニング。これをヤマハさんが出すとは意外でした。対してTW-E7Aは、音全体がとてもきれいに聴こえる、期待通りのサウンドでした。

江﨑:僕も同じ印象で、EP-E70Aは若い人たちが喜びそうな音だし、TW-E7Aは本当にいい音を求めている人に刺さるだろうなという印象でした。最近のイヤホンって、僕らのようなビートを軸とした音楽には向いているけど、クラシックを聴いて満足感が得られるモデルは少なくて。でもTW-E7Aは、僕が長く親しんできたクラシックや、トラディショナルなジャズを聴きたくなる、ワクワクするサウンドでした。

TW-E7A・EP-E70Aの両モデルを試聴するWONK・井上幹(左)、江﨑文武(右)

湯山(ヤマハ):狙った通りの評価をいただけて、とても嬉しいです。両モデルとも、ミュージックカンパニー・ヤマハとして、音楽をしっかりと深く楽しんでもらいたいという想いをベースに作りました。
EP-E70Aは口径9.2mmドライバーを搭載し、低音の再現能力を高め、音楽の基礎となるビートやベースをしっかりと表現しています。一方のTW-E7Aは、バランスよく、一つ一つの音がきれいに聴こえ、音の響きの立体感を繊細に表現できる音作りをしました。

江﨑:EP-E70Aは、純粋に音楽を楽しんでいた高校生時代に聴いていたサウンド感に近くて、ちょっと懐かしかったです。

井上:そこから今、音楽を作っている環境に近いのはTW-E7Aの音。でも、スタジオ用モニタースピーカーの平坦な音とは違って、音の奥行きもしっかり感じたし、ライブ感が気持ちいい。リスニング用にすごくよさそうですね。

浜松にあるヤマハ本社よりリモートでインタビューを行う、ヤマハ株式会社ホームオーディオ事業部商品戦略グループ・熊澤進(画面左)/湯山雄太(画面右)

最適な聴こえ方をコントロールする「リスニングケア」

湯山(ヤマハ):TW-E7Aには、「アクティブノイズキャンセリング」機能や、会話など周囲の音も取り込める「アンビエントサウンド」機能、ワイヤレス充電Qi(チー)対応などの特長がありますが、一番のポイントは、ボリュームに応じて音のバランスを最適化し、耳への負担も抑えるヤマハ独自技術の「リスニングケア」です。人の耳は、ボリュームが小さいと低音と高音が聴こえにくくなります。また、周囲の騒音が大きいと、無意識にボリュームを上げすぎてしまいがち。そうした時に、最適な聴こえ方に自動補正することで、耳への負担を和らげ、自然で聴きやすい音を再現する機能です。

リスニングケア搭載のTW-E7A

井上:耳への配慮に、ヤマハさんの音に対する姿勢を強く感じます。今、みんなが聴いているイヤホンのボリュームって、とんでもなく大きくなっていて。さっきもボーカルの(長塚)健斗が聴いていたイヤホンを使ったら、音のデカさにビックリして。

江﨑:だから長塚さんにはなかなか話が伝わらないのか。リスニングケアは、ウチのボーカルに一番必要ですね(笑)。でも、冗談ではなく世界的にも注目されている大きな問題ですからね。

井上:イヤホン文化が身近になるほど、耳の聴こえづらさが加速している実感があって。それが進むと、未来のクリエイターの耳まで衰えてしまって、ちゃんとした音を作れなくなる可能性もある。その問題に取り組むヤマハさんの姿勢は、ミュージシャンとして心強いです。

江﨑:音以外にも、本体のマットな質感もいいし、プロダクトとして気に入りました。スリーブが3種類あって、自分の耳にフィットする物を選べるというのも親切ですね。

TW-E7A

いつでも、どこでも最高の音を約束する「アドバンストANC」&「リスニングオプティマイザー」

湯山(ヤマハ):EP-E70Aには、リスニングケア機能に加えて、独自のノイズキャンセリング技術「アドバンストANC」機能と、耳の形状やイヤホンの装着状態による音の変化を補正する「リスニングオプティマイザー」機能も搭載しています。

井上:ノイズキャンセリングは、一度体験したらそれなしでは生活できない重要な機能ですよね。

湯山(ヤマハ):ただ一般的には、外部の騒音を消そうすると、音楽の低音成分まで消してしまう傾向があるんです。そこでアドバンストANCでは、音楽信号とノイズ信号を高度にセパレートし、ノイズ信号だけを除去して自然な音楽表現を実現しています。

江﨑:僕はたくさんのイヤホンを試してきましたが、ノイズキャンセリングって諸刃の剣で。騒音を消すことに一生懸命なメーカーさんは多いですが、そこで音楽の本質をキープしてくれるのはとても嬉しいです。特に最近、コロナ対策で電車の窓が開けられているから、電車で音楽を聴く際にノイズキャンセリングは必須。だから余計にありがたいです。

湯山(ヤマハ):もう一つの新機能であるリスニングオプティマイザー、実はホームシアター製品の技術を応用しています。そもそも耳の形はみんな違いますから、イヤホンを同じように装着していても、実は人それぞれ聴こえ方が違う。それをリアルタイムに補正して、我々が届けたい音へと自動的に調整できる機能です。

井上:プロ・オーディオの文脈では主流となりつつある技術がコンシューマ製品まで落とし込まれて、ワイヤレスイヤホンとして手軽に利用できる。これは本当に「すごい!」の一言です。

リスニングケア機能に加え、アドバンストANC機能・リスニングオプティマイザー機能が搭載されたEP-E70A

活き活きとしたグルーヴをリスナーに伝えてくれるサウンド

熊澤(ヤマハ):WONKさんの音楽って、1曲の中にいろんなグルーヴが層を成していて。そこに魅力を感じています。我々のオーディオとイヤホンも“OPENNESS”“EMOTION”“GROOVE”をサウンドコンセプトに設計しています。今回の試聴では、みなさんが意図したグルーヴと、イヤホンから聴こえてくるグルーヴに何か違いは感じましたか?

井上:僕らは基本的にはデスクトップで音楽を作っていて、その中で何とか活き活きとしたグルーヴを作りたいと思っているんです。平面的な音ではなく、演奏している人を感じられる空間というか。そうした表現を、ちゃんとリスナーに伝えてくれる音だなと感じました。

熊澤(ヤマハ):よかった。それは嬉しいです。

井上:スマートフォンの内蔵スピーカーで音楽を聴いている人ってたくさんいると思うんですが、そのときにきっと僕のベースは聴こえてなくて。それって、僕らが作る音楽の一部しか聴いてもらえていないわけだから、できれば、いい音で聴いていただきたいんです。
そうした時にTW-E7AやEP-E70Aなら、音も装着感もいいし、価格帯的にもオススメしやすい。一度この音で聴いてみて欲しいですね。そうすれば僕らが意図した本当の音が伝わると思うし、音楽の世界が大きく変わると思います。

江﨑:ポップスがメインの方ならEP-E70A、アコースティック系もよく聴くという方だとTW-E7Aがオススメですね。僕自身も、今までイヤホンで聴くことをあきらめていた、ホール録音のような生っぽいライブ音源を、ぜひTW-E7Aで楽しみたいと思います。

井上:僕もこの2モデルは、圧倒的にリスニング用に使いたい。家でも、移動中でも、あらゆる場面での普段使い。しっかりと音楽性を届けてくれるので、どんな場所でも“いつものいい音”が楽しめる。そんなイヤホンだと思いました。

新製品のレビューに引き続き、今回のコラボレーションを記念してWONKメンバー全員とヤマハによる対談を企画。WONKとヤマハの出会いから、コラボレーション曲『Signal』の制作秘話、そしてヤマハのイヤホン&オーディオについて、熱いトークを展開する。

音楽の作り手と音の職人が追い求める、それぞれの“True Sound”/WONK×ヤマハインタビュー《前編》
音楽の作り手と音の職人が追い求める、それぞれの“True Sound”/WONK×ヤマハインタビュー《後編》

■TW-E7A

ヤマハ独自のリスニングケアをはじめ、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載。一音一音がクリアに聴こえる音、曲線が美しい洗練されたデザインで、より深く音楽が楽しめる完全ワイヤレスイヤホン。
詳細はこちら

■EP-E70A

ヤマハ独自のリスニングケア(アドバンスド)、リスニングオプティマイザーを搭載。音・音楽のリアリティー表現を通して感動体験を提供するネックバンド型ノイズキャンセリングBluetoothイヤホン。
詳細はこちら

■WONK

日本の音楽を再定義するエクスペリメンタル・ソウルバンド「WONK」。メンバーそれぞれがソウル、ジャズ、ヒップホップ、ロックのフィールドで活動するプレイヤー/プロデューサー/エンジニアという異色なバンド。
2016 年に1st アルバムを発売して以来、国内有数の音楽フェス出演や海外公演、成功を果たす。ジャンルや世代を超えた国内外のビッグアーティストへ楽曲提供・リミックス・演奏参加するなど、音楽性の高さは多方面から支持されている。2019年7月にEP『Moon Dance』をリリース、11月にシングル「Signal」を配信。2020年1月リリースの香取慎吾ソロアルバム『20200101』にて「Metropolis(feat.WONK)」を楽曲提供・共演を果たし話題となる。2020年4月にシングル「HEROISM」、6月3日には「Rollin’」を配信、6月22日に4枚目のフルアルバム『EYES』をリリース。
オフィシャルサイトはこちら

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